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「赤兎馬20度」は、透き通った薄い水色の瓶が特徴だ。休日の昼下がり、窓から差し込む光に瓶をきらめかせたら、最高に美味い酒だろう。つまみは何が合うだろうか。閉店間際のスーパーで買い集めた夏野菜を、オリーブオイルでじっくりと焼く。それを薄味のつゆに浸して、1時間冷やしたら完成だ。今夜は「どの野菜がいちばん合うのか決定戦」の審査員を務めながらの晩酌である。テレビなんて見ている暇はない。焦げ目を付けたとうもろこしには、やっぱりビールだ。たっぷり油を吸った茄子は、レモンサワー。甘く煮たかぼちゃは、日本酒のとろみが欲しくなる。アルコール度数を下げたことで爽やかさを増した「赤兎馬20度」は、熟成による旨味が、疾風のように通り抜けて消える。さらに紫芋を加えたことによって、冷たい温度でもしっかり舌で味を感じる構造だ。自分の強みをよくわかっている。そんな頭のいい酒には、控えめだが意志の強い、ししとうが最も合うだろう。3本焼いたししとうのうち、最後の1本は、爆弾みたいに辛かった。ししとうとは、そういう奴である。辛みに任せてぐいっとグラスを煽っても、幸いアルコール度数は20度。ししとうが甘くても辛くても、上手く対応できる酒なのであった。